項羽と劉邦 著:司馬遼太郎
前回の続きです。
紀元前三世紀末の中国。大昔のこの時代に、どういった仕組みで大陸全土に制度を徹底したのか。
この点についてはとても興味深いです。
結局この国の制度は長くは続かず滅んでしまうのですが、しかし余りにも広すぎる大陸全土を、また、たった一人の皇帝が全国民を統治することなど、とても難しい事であるには違いなかったと思います。
恐らく文字を読むことができなかった人達ほとんどであっただろうこの時代に、法によって国を収めることは可能だったのでしょうか?
この点についての記述は本の話の中にはなかったのですが、権力による統治が主であったようです。
秦の始皇帝は、自身の権力を示すために中国全土を何十万もの軍隊を引き連れて巡行しました。
後の皇帝は儒教や貴族制度で国民に対して礼教思想を植え付けたのに対して、秦の始皇帝は、権力を象徴するための建造物や巡行を行うことで、自身がいかに偉大かを示そうとしました。
しかし、巡行を行なったところで、皇帝という存在に対し、人々に礼教心などは全く備わっていないため、逆に一部の民の反感をあおり、多くの反乱者生み出すことになってしまいました。
秦の始皇帝が行なった政治は、建造物、巡行で権力を見せつけ、法による労役・徴収・刑罰で人々を押さえつける方法であったと言えると思います。
これらの方法で民に対して忠誠を根付かせることは難しく、徴収などで追い込まれた民が反乱を起こすのも当然の流れであったに違いないでしょう。
また、内部の官僚の反乱も多く、権力・力だけで組織を維持することは難しいことを物語っています。
組織が成り立つ上でリーダーと仕組みというものは欠かせない要素ですが、次回、組織をまとめあげるリーダーの資質について触れたいと思います